歯科・デンタルケア症例

歯折した歯の治療 その6

レジンという被せ物を接着させるための処理をします。 レジンで穴を塞ぎます。 レジンが固まったところ、表面が凸凹しているため研磨していきます。 粗研磨。 仕上げ研磨。 出来上がり。 出来上がり後のレントゲン。 これで歯折した歯の処置は終了です。 この「歯…

歯折した歯の治療 その5

前回の続きです。 「ファイル」という道具で神経を除去した後に、詰め物を入れるためにさらに歯の穴を削ります。 出来た穴に、細菌の増殖を抑える根幹シーラーというものを注入します。 その後、ガッタパーチャポイントという詰め物を挿入していきます。 挿…

歯折した歯の治療 その4

今回から、折れてしまった歯を抜かずに治す方法をご紹介していきます。 症例は3kgの小型犬で、歯が折れた時期は不明とのことでした。 右上顎第4前臼歯が折れて神経が露出してしまっています。 折れて1−2日以内であれば神経を残して治療を行います。 今…

歯折した歯の治療 その3

それでは抜いていきます。 まず歯肉をめくって顎の骨を露出します。 ラウンドバーと高速のエアータービンの組み合わせで骨を削ります。 歯の根っこの部分が見えるようになりました。 テーパーシリンダーバーと高速エアータービンの組み合わせで歯を分割しま…

歯折した歯の治療 その2

今回は、「歯折した歯を治療せずに放置して悪化してしまった」ケースの治療についてご紹介いたします。 歯折を放置した場合、「頬っぺたが腫れてきた、血や膿が出る」「歯が痛そうでご飯が食べれない」という主訴で来院されることが多いです。 実際の症例で…

破折した歯の治療

「破折」とは、「歯が折れる」ことを意味します。 ワンちゃんで一番多い歯の破折の部位は、上顎第4前臼歯(上顎の奥歯)の部分です。 どの部分かわかりますか? こたえ このまま放置した場合はどうなるのでしょうか?? 神経から細菌が侵入して、顎の骨を溶…

新しい歯科デジタルレントゲン

「アールエフ」という人の歯科レントゲン業界では有名な会社の「デジタルレントゲンセンサー」を新しく導入いたしました。こちらのレントゲンセンサーで撮影した画像は、スマホのような子機端末に表示されます。 画像の処理も子機端末で行うことができるため…

歯科治療に関して

10月は、手術日を実施する日(月・火・木・金・土)が22日あり、そのうちの半分である11件の歯科治療がありました。最近では、琵琶湖の対岸にお住まいの方や東近江市辺りから歯科治療を希望され、遠方より来院いただくケースも増えてまいりました。 そ…

歯科用レントゲン装置とデジタルセンサー

歯科用のレントゲン発生装置は以前から使用していたのですが、この度フィルム式からデジタルセンサーに買い換えました。 PCとデジタルセンサー 動物では、麻酔をかけての撮影となるため、撮影・画像の確認が全て手術室で出来るようにレントゲン発生装置・…

歯科ユニットを導入

昨年末に、歯科ユニットを導入しました。今までは電気式のドリルで処置をしておりましたが、今回導入したユニットは空気の力で動きます。人の歯医者さんで使用されている物と同じですね。 エアータービン電気式に比べて、少ない力でより早く削れるようになり…

歯周病について その2

前回の続きです。 病院の待合室にも同じ物を掲示しております。飼い主さまの歯周病に対する意識も高くなってきています。また、他の動物病院からの治療依頼も増えてきました。 そのニーズに答えるべく歯科の医療機器を充実させましたので、次回よりご紹介し…

歯周病について 1

歯周病とは「歯」の病気ではなく、歯肉や顎の骨が腐って壊れていく病気です。動物たちは歯磨きが十分出来ないため「歯周病」になってしまう子が多いです。動物薬の製薬会社さんが作っておられる雑誌に、「歯周病」について飼い主さんにも読んでいただきたい…

デンタルX線撮影装置

歯科専用のX線撮影装置を手に入れることが出来たので、自分で手術室に設置してみました。 動物の場合は麻酔下での撮影となるため、今まで麻酔をかけた後にレントゲン室まで運んで撮影していたんですが、これで場所を変えずにすぐにレントゲンを撮影出来るよ…

学術講習会に参加してきました

先週の日曜日、午前の診察を終えてから京都での学術講習会に参加してきました。 今回の内容は「小動物歯科シリーズ」でした。 スケーリングとは所謂「歯石除去」であり、「歯石を取るだけではダメで歯周ポケットの治療をしっかりやりましょう」という内容で…

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。 今年も飼い主さまからたくさん年賀状を頂き、ありがとうございました。 本年もよろしくお願いいたします。 今回もホームページ更新用に作成した記事の最終回分です。 当院で可能な歯科治療についてご紹介いたします。 実際…

わんちゃん・ねこちゃんのハブラシ

歯磨きはわんちゃん・ねこちゃん性格によっては難しい場合もありますが、歯磨きを毎日してもらっている子の歯は驚くほど綺麗です。デンタルガムなども有効ですが、言わゆる歯周ポケットなどに入った食べかすなどはハブラシじゃないと綺麗にとれません。当院…

ネコちゃんの牙(犬歯)を短く・・・

今回のネコちゃんは彦根の動物病院の先生からのご紹介で、「牙(犬歯)を短くして欲しい」ということで来院されました。 家族の方が何度も咬まれて大怪我をされ、このままだとネコちゃんと飼い主さまの関係が悪くなっていくことが予想されたため、牙を短くし…

歯を短く・・・

今回のワンちゃんは、人を入院させるくらい噛んでしまい訓練士さんに訓練を受けるも改善せず「獣医さんで犬歯を短くしてもらうのも1つの手段」というアドバイスを受けたそうです。 かかりつけの動物病院では処置ができないということで当院に来院されました…

ウサギさんの歯

食欲不振で来院されたウサギさん。診察させて頂くとヨダレが多く、家でもお口をモゴモゴさせていることが多いとのことで口腔内の異常を疑いました。 後日、麻酔下で口腔内をしっかり調べさせてもらい、奥歯が伸びすぎて舌を傷つけていることがわかりました。…

歯のエナメル質形成不全という病気

デンタルケアを希望され来院されたワンちゃん、見せていただくと歯石の沈着もあるのですがどうやら「エナメル質形成不全」も数箇所あるみたいなので麻酔下でのデンタルケア後に詳しく見せていただき処置させていただくことになりました。 「エナメル質形成不…

猫ちゃんの口内炎

「口内炎」というと疲れた時などに出来てしばらくしたら治るというイメージかも知れませんが、猫ちゃんの「難治性口内炎」は痛くてご飯が食べられずに命にも関わるほどの病気です。 痛みを和らげる治療を行うことが多いんですが、「痛み止めが効きにくい」「…

歯が割れてしまったワンちゃん

歯磨き用にと「蹄(ひづめ)」を与えたら歯が折れてしまったと言うことで長浜の動物病院からの紹介で来院されたチワワちゃん。 歯が割れた所は歯の一番外側のエナメル質が欠損しその下の象牙質がむき出しになっている状態でしたが、レントゲンにて歯根部(歯…

7月18日(祝・月)の診療時間について

7月18日(祝・月)のみ通常、祝日診察時間 9:00〜12:00のところ 変更後 9:00〜11:30に変更いたします。ご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

抜髄根管治療 その2

前回(神経を抜いて詰め物をしました)の続きです。今回はレジンという物を被せて治療終了です。ちなみにレジンとは 「虫歯の部分を削った後などに詰める歯科用プラスチックです。レジンは虫歯治療だけではなく、欠けた歯の形態を回復したり、歯に盛り足して…

抜髄根管治療 その1

前回の犬歯が折れていたワンちゃんの処置をさせていただきました。今回の処置内容は歯の中の神経を抜いてその代わりに充填剤(詰め物)を充填します。この治療の目的は、口の中の細菌や刺激物が原因で生じる根尖周囲病巣(歯が折れて露出した神経を伝って歯…

歯が折れてしまってます

今月は4頭のデンタルケアをさせていただいたんですが、そのうちの2頭の歯が欠けていたことがわかりました。人間と同じ様に歯の中には神経があり、歯が欠けたり折れたりすると中の神経が露出してしまうことがあります。神経が露出していると痛みがあるはず…

歯周ポケット

今回デンタルケアをさせて頂いたのは、MIXのワンちゃん。 処置前の写真です。 歯石が多かったので、ある程度歯石を除去してから歯周ポケットのチェックを行いました。歯周ポケットの深さを調べるプローブ 深いところで6−7mmのポケットがありました。 …

ほっぺたから血膿

「眼の下が腫れてきた」「頬から血が出た」などで来院されるワンちゃん・ネコちゃんの多くは、歯からの感染が原因になっていることが多いです。この病気で来院されるのはダックスちゃんが多かったのですが、今回はシーズーちゃんです。 ほとんどが奥歯の感染…

犬の口内炎??

今回のワンちゃんは「口内炎が出来た」という事で来院されました。人間の口内炎と同じように、ストレスやビタミン不足で出来るものは犬では少ないと思います。 口の中を診せていただくと確かに粘膜に炎症がありました。 よく観察すると、粘膜に起きた炎症が…

猫ちゃんのデンタルケア

人と同じ様に猫ちゃんもご飯(フード)を食べると歯に歯垢が付着し、いずれ歯石になってしまいます。 今回の猫ちゃんは、口内炎により食欲が低下し来院され、鎮痛剤とデンタルケアにて食欲は回復してくれました。 しかし、猫ちゃんの口内炎はウイルス感染が…