角膜の傷

ワンちゃん・ネコちゃんが「眼が痛そう」という主訴で来院された場合の一番多い原因が「角膜の傷」です。


傷の深さにより「角膜糜爛(びらん)」「角膜潰瘍(潰瘍)」などに分類されます。


ワンちゃんでは、特に短頭種の犬(例:パグ、シーズーなど)に発生が多い疾患です。

発症は一般的に角膜の外傷により起こります。また、睫毛(まつげ)や眼瞼(まぶた)の異常、涙の産生異常(例:乾性角膜炎)、感染症、眼瞼を完全に閉じることができない場合(例:緑内障による牛眼)、先天性角膜疾患、その他(異物、薬品など)の原因により起こります。


傷の有無は、角膜の傷を染める検査でわかります。


黄色く染まった部分が角膜の傷です。




治療方法を選択する基準で一番大切なのは「傷の深さ」になります。


「傷の深さ」は肉眼ではわからないので、「スリットランプ」という機器を使用して観察します。



「スリットランプ」の光により角膜の断面が浮かび上がり、角膜の厚さ・傷の深さがわかります。



白いラインが角膜の断面です。


浅い傷の場合はほとんどが目薬による内科治療で治ります。

深い傷などの場合は、外科的な治療を選択することが多いです。


次回は、深い傷の症例の治療をご紹介いたします。