チェリーアイという病気

チェリーアイ(第三眼瞼腺逸脱)とは、第三眼瞼腺という涙を作る役割をもつ腺組織が、瞬膜の縁を越えて外に飛び出してしまう病気です。飛び出した第三眼瞼腺は、炎症を起こして丸く腫れ上がり、サクランボのようになることから「チェリーアイ」と呼ばれています。


今回のワンちゃんは他院で「切り取る」手術を勧められたが、自分でいろいろ調べられ「切り取る」と将来ドライアイになる可能性が高いと言うことを知り、セカンドオピニオンとして来院されました。


昔は「切り取る」手術が多かったと聞きますが、現在は将来的なドライアイ防止のため「切り取らない」で整復する手術法もあります。


当院ではポケット法という「切り取らない」手術を行うことがほとんどです。


「涙をつくる組織を切り取らないで、元に場所に戻してあげて涙が減らないようにする」より自然な治療法だと思います。



手術前




手術 翌日




手術後しばらくは腫れが残りますが1ヶ月くらいで治まることが多いです。


この子は発症後、手術までの期間が長かったので軟骨の変形を伴い手術の難度がすこし高かったです。

もしこのような病気の疑いがあれば早期に来院頂き、手術をするのであれば早期に行うほうが治療結果はより良好だと思います。