眼科症例

角膜の傷 その5

今回の角膜の手術に使用した顕微鏡について 当院には手術専用の顕微鏡はありませんが、市販の実体顕微鏡を手術室にある歯科用レントゲン装置にくっつけて使用しています。 (この写真は実際の手術写真ではなく、うちのネコちゃんのデンタルケア時にご協力いた…

角膜の傷 その4

前回の続きで、手術後の経過です。前回同様、手術風景などの画像がありますのでご注意ください。 手術後3週間後です。 角膜と結膜フラップを縫合していた糸を抜糸し、いらなくなったフラップ部分を切除したところ。 傷の部分に結膜フラップがしっかりくっ付…

角膜の傷 その3

今回は、失明の危険性が高い角膜の「デスメ膜瘤」に対して手術させていただいたワンちゃんの手術の詳細をご紹介します。 血液や手術の画像がありますので、苦手の方はご注意下さい。 「結膜有茎フラップ」という手術を行ったもので、角膜に血管がないのなら…

角膜の傷 その2

前回の「角膜の傷」の続きです。 散歩中に草むらに入って、出てきたら「眼が痛そう」ということで当院に来院されたシーズーちゃん。 来院時の眼の状態 角膜の傷が浅ければ、眼薬で治せるのですが、角膜全体の60%の深さにまで達した傷は、一般的には手術が…

角膜の傷

ワンちゃん・ネコちゃんが「眼が痛そう」という主訴で来院された場合の一番多い原因が「角膜の傷」です。 傷の深さにより「角膜糜爛(びらん)」「角膜潰瘍(潰瘍)」などに分類されます。 ワンちゃんでは、特に短頭種の犬(例:パグ、シーズーなど)に発生…

眼科診療について

以下の記事はホームページの更新用に作成したものです。近日、ホームページの方にアップされる予定のものと同様の内容となっております。 僕の大学での卒業論文は、「犬の白内障手術における眼内レンズの有用性」という題名で、犬の水晶体を摘出しその代わり…

チェリーアイという病気

チェリーアイ(第三眼瞼腺逸脱)とは、第三眼瞼腺という涙を作る役割をもつ腺組織が、瞬膜の縁を越えて外に飛び出してしまう病気です。飛び出した第三眼瞼腺は、炎症を起こして丸く腫れ上がり、サクランボのようになることから「チェリーアイ」と呼ばれてい…

治りにくい目の傷

ワンちゃんではぶつかったり、シャンプーが目に入って擦ってしまったり、ネコちゃんではケンカなどで目(眼球)に傷が付いてしまうことが多いです。多くは目薬の治療で改善していくのですが、たまに目薬では改善なく外科的な処置をとるケースがあります。今…

白内障の手術について

動物の場合、片側の眼が白内障になって見えなってしまっても通常の生活に不自由はでませんが両目が白内障になってしまった場合は手術で治してあげないと生活に不自由が出てしまいます。 シェルティーちゃんの白内障 僕の大学での卒業研究のテーマは「白内障…

眼底検査

「眼底」とは簡単に言うと「目の奥」のことで網膜や視神経などがあるところです。通常は肉眼では見えませんので、特殊なレンズを使って観察を行います。 これはうちの猫ちゃんが眼底です。 (写真を撮るために部屋を明るくしてるのであまりきれいには見えてい…

白内障について

今回は「眼のにごり」で来院されたワンちゃんです。診せて頂くと両目の水晶体の一部に白内障がありました。 この白内障が生まれつき(先天性)なのか、進行性なのかはこれから定期的に診せて頂いて判断することになります。進行し視力障害(見えなくなる)が…