角膜の傷 その2

前回の「角膜の傷」の続きです。


散歩中に草むらに入って、出てきたら「眼が痛そう」ということで当院に来院されたシーズーちゃん。


来院時の眼の状態


角膜の傷が浅ければ、眼薬で治せるのですが、角膜全体の60%の深さにまで達した傷は、一般的には手術が必要になります(この場合、放置すると眼球破裂に至る可能性が高くなってきます)。


上段の写真は重度の(深い)角膜潰瘍であり、デスメ膜という角膜のもっとも奥深い層まで傷が達してしまい、眼球破裂直前の状態で、眼圧に押されたデスメ膜が圧迫され、イボのように角膜表面に押し出されている状態です。これは非常に危険な状態で、もう少し病院に来るのが遅れていたら、眼球破裂という最悪の結果に至っていたでしょう。



一番右の図が「デスメ膜瘤」


このままの状態だと失明する恐れがあるため、緊急手術をさせていただくことになりました。

「結膜有茎フラップ術」という手術をさせていただいたのですが、詳しくは次回に・・・。