内視鏡症例

オトスコープ(耳内視鏡)による新しい耳の治療 2

それではオトスコープでの治療の一部をご紹介していきます。まずは耳垢を除去するところから始めます。 既製品の処置具には、耳垢を摘む鉗子(かんし)しかないため、自分で耳かきやブラシを作成して使用しています。 大きな耳垢の塊や毛・異物を取り除くと…

オトスコープ(耳内視鏡)による新しい耳の治療 1

オトスコープ(耳内視鏡)を使用することによって、耳道内が鮮明に観察でき、通常の耳鏡ではほとんど観察できなかった鼓膜も容易に確認できるようになりました。オトスコープは観察するだけの検査器具ではなく操作をする穴があり、そこからカテーテルや鉗子…

歯折した歯の治療 その3

それでは抜いていきます。 まず歯肉をめくって顎の骨を露出します。 ラウンドバーと高速のエアータービンの組み合わせで骨を削ります。 歯の根っこの部分が見えるようになりました。 テーパーシリンダーバーと高速エアータービンの組み合わせで歯を分割しま…

歯周病について その2

前回の続きです。 病院の待合室にも同じ物を掲示しております。飼い主さまの歯周病に対する意識も高くなってきています。また、他の動物病院からの治療依頼も増えてきました。 そのニーズに答えるべく歯科の医療機器を充実させましたので、次回よりご紹介し…

膀胱鏡検査でわかること・できること

膀胱鏡検査でわかること・できることをご紹介いたします。まずは尿道・膀胱の中を観察。 膀胱炎の画像 膀胱炎にもいろんな種類がありますので、そのまま組織を採取し病理検査を行うことが出来ます。 結石の画像 内視鏡で摘出できる結石は大きさの関係で制限…

膀胱硬性鏡

今回は人間用の膀胱硬性鏡のご紹介をさせていただきます。 硬性鏡は字のごとく硬い金属の筒状の内視鏡です。 胃カメラなどの柔らかい軟性鏡よりも細いところが観察できしかも見える画像がキレイなのが特徴です。 しかし軟性鏡と違って曲がりませんので、直線…

メスのネコちゃんの膀胱内視鏡検査

メスのネコちゃんの膀胱内視鏡検査 メスのネコちゃんでは、一番細い内視鏡(2mm)しか挿入できませんので、観察のみの検査となりますが、検査の他に膀胱腫瘍の手術や結石の手術時に、内視鏡で観察しながら行うことで正確な手術の助けとなってくれます。 …

オスのワンちゃんの膀胱内視鏡検査

前回からの続きでオスのワンちゃんの膀胱内視鏡検査をご紹介いたします。 尿道に挿入したガイドワイヤーに内視鏡のスコープを通して膀胱に入れていきます。 膀胱にスコープが入ったら、ガイドワイヤーを引き抜き膀胱内を観察します。このワンちゃんでは、出…

オスのワンちゃんにも膀胱内視鏡検査ができるようになりました

今回からは膀胱内視鏡について書いていきます。昨年まではメスのワンちゃんにしか検査が出来ませんでしたが、今回「ガイドワイヤー」を使用することでオスのワンちゃんにも安全に内視鏡が挿入できるようになりました。 なぜオスが難しいかというと・・・ 1.…

ネコちゃんの気管・気管支検査

前回はワンちゃんでしたが、今回はネコちゃんです。ネコちゃんの気管・気管支の検査時には「ラリンゲルマスク」と言う特殊な物を使用して麻酔・呼吸の管理を行います。 こちらは動物の呼吸器専門獣医さんのセミナーで紹介されていたものですが、動物の医療品…

気管・気管支の内視鏡検査

気管・気管支の内視鏡検査は、気管・気管支の内部の観察・異物の摘出・できものの検査などを行います。 とは言うものの勤務医時代でも、気管の中に入ってしまった縫い針を摘出したことがあるくらいで、あまり気管・気管支検査を行う機会はありませんでした。…

ファイバースコープ 

前回までご紹介していた内視鏡は「硬性鏡」というものでしたが、その他にいろんな「軟性鏡」を手に入れることが出来ましたのでご紹介していきます。 当院の胃カメラなどは「ビデオ内視鏡」で、ファイバースコープよりも画像が綺麗なんですが、1番細いスコー…

硬性鏡の使用例 その2

今回も「鼻水」の子の検査です。 このネコちゃんは彦根の先生からのご紹介で来院されたのですが、「鼻水」以外に呼吸時に「いびき」様の音も伴っていました。 少し鼻の上辺りが腫れていましたので、腫瘍を可能性もあり、麻酔下で詳しく検査させていただきま…

硬性鏡の使用例 その1 治療編

前回からの続きです。 諸検査より、鼻水の原因が折れた牙(犬歯)からの感染であると思われたため抜歯を行いました。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 「鼻水」という症状でも原因はさまざまです。 動物の鼻の穴は小さく・狭いため、硬性鏡のような特殊な検査機器が必要となりま…

硬性鏡の使用例 その1 検査編

前回の続きです。 「片側からの鼻水」の検査は麻酔をかけて行います。 まずは鼻水を除去し、生理食塩水で洗浄して鼻の中がきれいになったところで硬性鏡で観察します。 腫瘍らしき腫脹は認められませんでしたが、チーズ様の膿らしき塊が見つかりました。 こ…

硬性鏡の使用例 その1

「くしゃみ・鼻水」で来院された猫ちゃん。 この症状でもっとも多い原因は「ウイルス感染などによるネコ風邪」だと思いますが、このネコちゃんはちょっと違いました。 このネコちゃんの写真 「風邪」のネコちゃんの写真 単なる「風邪」ではなさそうなんです…

新しい内視鏡仲間①  硬性鏡

いわゆる胃カメラなど今までこのブログでもご紹介してきた内視鏡は「軟性鏡」と呼ばれるもので、手元の操作でスコープ先端を上下左右に曲げて、曲がりくねった食道・胃・腸を観察するものです。 昨年あたらしく購入した内視鏡は「硬性鏡」といって、曲げるこ…

内視鏡の新しい仲間たち

とっくに2014年が始まっておりますが、年末・年始のお休みの分の診察・手術でバタバタとしており、なかなかブログを書く時間が取れませんでした。 カウンターを見るとブログの記事が200を超えたとのこと。 昨年までは1週間に1回のペースを目標に書い…

ペットにもピロリ菌 その4

前回の続きです。 動物のピロリ菌が全て悪影響を及ぼすということはないと言われており、全ての症例で治療(除菌)するわけではありません。 その他の病気がなく、症状の原因がピロリ菌の可能性しかないという時には除菌を試験的に行い経過を観察します。 除…

ペットにもピロリ菌 その3

前回の続きです。 超音波検査で胃の出口あたりに異常を認めたため、さらに詳しく検査するために内視鏡検査を実施しました。 症例の胃の出口付近 超音波検査の所見通り、胃の粘膜が肥厚しており凸凹しています。 また、凸凹のせいで胃の出口である幽門が狭く…

ペットにもピロリ菌 その2

今回は実際のピロリ菌の症例をご紹介いたします。 他の動物病院より「慢性の嘔吐」の原因追及のため内視鏡検査依頼を受けたワンちゃんです。 内視鏡は麻酔下での検査になるため、その前にまずは麻酔の要らない検査でわかる病気がないかどうか、内視鏡の届か…

ペットにもピロリ菌

内視鏡は、飲み込んだ異物を摘出するだけではなく胃や腸の病気の検査にも用います。 最近では、他の動物病院から内視鏡の依頼を受けることも増えてきて勤務医時代より内視鏡検査・処置をする機会が多くなりました。 その中で、昔より増えたなと思うことの一…

食道内異物の2症例

今月は内視鏡による検査・治療が4件ありました。そのうち食道におやつ(ジャーキー)が詰まってしまったワンちゃんを2頭ご紹介いたします。 1件目は「おやつを丸呑みしてから苦しそう」ということで夜間に来院されました。 レントゲンで食道内の異物を確認…

今年のGWも・・・

昨年のGWは、犬用おやつを食道に詰まらせたワンちゃんを内視鏡で治療させていただきました。 今年のGWは、彦根の先生からのご紹介で「鳥の骨」を飲み込んでしまったワンちゃんを内視鏡で治療させて頂きました。 当院で撮影させて頂いたレントゲン 確かに胃の…

何かが詰まってる?

「のどに何か詰まって苦しそう・・・」と言う事で来院されたワンちゃん。 通常のレントゲンを撮らせたいただきましたが、レントゲンに写る異物は確認できませんでした。 それでも異物の可能性が高かったので、次に造影剤を飲ませてから再度レントゲンを撮ら…

胃の内視鏡検査

今回のワンちゃんは、「嘔吐と黒いウンチ」という主訴で来院されました。 「黒いウンチ」は胃などの上部消化管からの出血がある時に認められる症状であり、その辺りを中心に検査を行うことにしました。 レントゲン検査では「胃の拡張」の所見が得られました…

耳の中の異物

耳の症状で来院したワンちゃん。異物の疑いがあったので内視鏡で覗かしていただきました。 摘出した異物 前回の記事とは別の種類の草の実でした。植物も子孫を残そうとしているのでしょうが、動物たちには迷惑な時もありますね。

リンゴが詰まった・・・

「食道にリンゴが詰まっている」と言う事で他の動物病院からご紹介されて来院されたワンちゃん。レントゲンで確認したところ確かに何が詰まっている様子。 夜でしたが緊急で内視鏡をさせていただきました。 崩れやすいものは摘んで摘出することが難しい場合…

胃内異物

「胃の中に何かある」ということで他院からのご紹介で来院されたワンちゃん。 まずはレントゲンを取らせて頂きました。 胃の中に金属性の「何か」があるので内視鏡での摘出を試みました。 摘出したもの 胃酸のためかピカピカしてますね。 お腹を切らずに済ん…

前回の続き・・・大腸ポリープの治療

大腸内視鏡検査での組織検査結果が「良性のポリープ」や「炎症性のポリープ」の場合はお薬で治療していくことが多いんですが、ポリープの形状によっては「ポリペクトミー」という方法で治療するケースもあります。 「ポリペクトミー」とは、スネアカンシとい…