ペットにもピロリ菌 その2

今回は実際のピロリ菌の症例をご紹介いたします。



他の動物病院より「慢性の嘔吐」の原因追及のため内視鏡検査依頼を受けたワンちゃんです。



内視鏡は麻酔下での検査になるため、その前にまずは麻酔の要らない検査でわかる病気がないかどうか、内視鏡の届かない腸(動物の大きさによりますが十二指腸以降の腸)に原因がないことを確かめる必要があります。


そのため、血液検査・レントゲン撮影・超音波検査などを行います。


特に超音波検査は、腹部の毛を刈らせていただき、時間をかけて検査を行わせて頂いています。


もし、超音波検査で内視鏡検査では検査できない腸に異常が見つかった場合は、内視鏡をやる必要がなくなるためです。


そのことで動物たちの麻酔のリスクと飼い主さまの経済的な負担を回避できますので、必要不可欠な検査であると考えております。




このワンちゃんは腸には異常なく、胃の出口付近の粘膜が肥厚している所見が得られましたので内視鏡検査が適応であると判断しました。


超音波検査所見





正常な胃の壁の厚さは5mm以下といわれていますが、このワンちゃんの胃の出口付近(幽門洞)の壁の厚さは8mm程でかなり肥厚していました。



超音波検査だけでは何の病気かはわかりませんので、内視鏡検査を行い組織を採取し病気を特定していきます。



次回は、このワンちゃんの内視鏡検査をご紹介いたします。