歯折した歯の治療 その2
今回は、「歯折した歯を治療せずに放置して悪化してしまった」ケースの治療についてご紹介いたします。
歯折を放置した場合、「頬っぺたが腫れてきた、血や膿が出る」「歯が痛そうでご飯が食べれない」という主訴で来院されることが多いです。
実際の症例です。「頬っぺたに穴が開いて、膿がでて痛がっている」という主訴のワンちゃんです。
麻酔下での口腔内精査とレントゲン検査を行います。
歯石を取ってきれいにしたところ。
歯石で見えなかった、歯折による穴が見つかりました。
レントゲンを撮ってみると・・・
歯が折れた→歯の中の神経が露出した→適切な治療がなかった→神経が感染を起こした→神経を伝って感染が顎の骨に広がった→顎の骨が溶けて頬っぺたまで感染が広がった
こうなってしまうと、歯を残す治療はできません、歯を抜いて治療するしか選択肢がありません。
歯周病の場合は、歯がぐらぐらしている場合もあり、その時は簡単に抜歯することができるのですが、「歯折」の場合は、歯の周りの組織(顎の骨)は正常なこともあり、抜歯も大掛かりになることがあります。
次回、具体的な抜歯方法を書いていきます。