手術時に使用する縫合糸について

数ヶ月にわたる食欲低下と嘔吐で転院されて来られたミニチュア・ダックスのココちゃん。超音波検査・バリウム検査で腸の一部が狭くなっているのが確認されたので開腹手術を行いました。


開腹してみると腸を巻き込む塊(腫瘤)があり、それが原因で腸が狭くなっていました。その塊が嘔吐の原因になっているため、塊を切除し、腸同士を縫合しました。摘出した塊を検査センターに依頼し調べてもらった結果、避妊手術時に使用された糸が原因であることがわかりました。

避妊手術は他院にて2年ほど前におこなわれたものでしたが、このような問題が手術後数年経ってから起こることがあります。特にミニチュア・ダックスが縫合糸に対して炎症を起こしやすい犬種になります。
当院では特にミニチュア・ダックスの手術にはすべて溶ける糸(吸収されてしまう糸)を使用して、このような問題が起きないように心がけております。当院で使用している吸収糸は高いもので1本1000円以上しますが、問題が起きた場合の飼い主さまとワンちゃんの負担を思うと決して高いものではありません。

ココちゃんは元気に退院されましたが、糸が完全に除去された場合でも炎症が再発したりと予後は要注意です。これからも飼い主さまと共に再発の防止に努めていきます。がんばれココちゃん!!