重い耳の病気

このワンちゃんは「ずっと治療しているが耳の病気が治らない」とのことで転院されてこられました。

両方の耳の中に膿が貯まり、かなりの痛みを伴っていましたので、鎮静をかけ膿を洗い流し中を観察してみると、耳の穴の壁に潰瘍が出来ていました。

しばらくお家での投薬と病院での洗浄を繰りかえし一度は治まったのですが、数ヵ月後に再発してしまいました。

このワンちゃんは全身の皮膚にも異常があり、耳も同じ皮膚の一部なのでこれからも再発を繰り返す可能性が高いことを飼い主さまにお伝えしました。 

飼い主さまとの話し合いの結果、ワンちゃんの年齢も若く元気なので将来的なことを考慮し、再発しないように潰瘍の部分を耳の穴ごと切除することになりました。



手術前の左耳



手術直後の左耳




手術から2ヶ月後の左耳



手術から3ヶ月後の右耳(両耳手術しました)


手術後は耳を痒がったり痛がるようなこともなく順調に経過しておりますが、皮膚とともに定期的なケアは必要だと思います。


耳の病気は動物病院に来院する病気で一番多い病気と言われています。

初期治療をしっかり行えばこのような手術になることは滅多にありませんが、一度ひどくなると内科治療では完治できなくなってしまうことがあります。

耳を痒がったり、頭を振ったりと耳の病気のサインが見られたら、早期に診察を受けられることをお勧めいたします。