血が止まらない・・・

鼻血が止まらないということで来院された子猫ちゃん。

外のネコちゃんなので交通事故の可能性もあり、全身をチェックし他に外傷はありませんでしたが胸のところの皮膚に紫斑(内出血のようなもの)がありました。





原因を詳しく調べるために血液検査を行い、「血小板」という血を止めてくれるものがほとんど無いことがわかりました。

また出血による貧血もありましたがその他には異常が無く「免疫介在性血小板減少症」と診断しました。


「免疫介在性血小板減少症」とは、抗体がつくられて血小板が破壊される病気です。抗体ができる理由は不明です。骨髄は血小板の産生を増やして破壊された分を補おうとしますが、必要量に追いつくことができません(ある医療サイトより)。


手持ちの本より



治療は免疫を抑えて血小板の破壊を停止させるために投薬を行います。


治療経過です。




赤線のPLTが血小板の数で、日に日に増えてきてくれました。また青線の貧血の値も増えてきてくれています。


このネコちゃんは治療に対する反応がよく、今では血液も正常に戻り元気にしてくれています。

あまり多い病気ではなく聞きなれない病気だと思いますが、血が止まらない時期に脳出血を起すと命に関わる怖い病気で死亡率30%と言われています。

もし出血しても通常は自然に止まる事が多いですが、なかなか血が止まらないなどの時は注意が必要な病気の1つです。



という記事を書いていたら、嫁さんの実家のワンちゃん(つゆちゃん)が「口から血が出て止まらない」ということで三重県から飛んでこられ、検査すると同じ病気でした・・・。

つゆちゃんも薬で回復してきましたが再発しないように気をつけないといけません。