歯を短く・・・
今回のワンちゃんは、人を入院させるくらい噛んでしまい訓練士さんに訓練を受けるも改善せず「獣医さんで犬歯を短くしてもらうのも1つの手段」というアドバイスを受けたそうです。
かかりつけの動物病院では処置ができないということで当院に来院されました。
ワンちゃん自体は凶暴というより臆病という感じであり、自己防衛として噛んでしまうんだろうと思いました。
獣医師として健康な子の歯を切るのはいい気持ちはしませんが、他の方法が無くこれ以上噛まれて大怪我をすると飼えなくなるとのことでしたので当院で処置をさせていただくことになりました。
処置前の下顎犬歯。
犬歯を短く切断しています。
歯の中の神経が露出するため、神経を短くしたところ。
残りの神経を保護する薬を入れ、詰め物を被せて終了です。
上顎犬歯も同様に。
上下左右4本の犬歯が短くなり、噛まれた時のダメージがかなり小さくなります。
しかし噛む行動自体はこの処置では改善しないため、自宅でのしつけも継続して頂かないといけません。
今回のように飼い主さんとワンちゃんの関係にかかわるケースは「治療」としてこのような処置・手術は行っておりますが「美容目的」に尻尾を切ったり(断尾)耳を切ったり(断耳)指を切る(断指)手術は基本的にお断りしています。
我が家のコーギーちゃんも姉が買った時には尻尾は切られていてありません。
尻尾を振る行為は人間で言うと「笑ったり」「喜んだり」「怖がったり」の「表情」だと思います。
尻尾を無くなると「表情」も無くなります。
海外では美容目的の手術は法律で禁止されている国が多くなってきています。
はやく日本もそうなって欲しいと願います。