悪性腫瘍?

このワンちゃんは、前足の付け根に腫瘍ができ近くの動物病院で腫瘍の細胞を診てもらい「悪性の細胞が出てるので治療するなら前足を断脚するしかない」と言われ、セカンドオピニオンとして当院に来院された症例です。

50kg以上の大型犬で、できた腫瘍も子供の頭ほどの大きさです。
手術の前に「悪性」なのか「良性」なのか、悪性でも断脚以外の治療法はないのか、しっかり調べるために腫瘍の一部を採取し検査に出すことにしました。

病院によっていろいろな方法があると思いますが、今回は高齢と言うこともあり、体の負担をできるだけ少なくするため、局所麻酔下で自動で組織の一部が採取できる特別な器具を使用しました。




腫瘍に器具を差し込んでいるところ




器具の中に採取された腫瘍の一部




組織検査の結果は「良性の腫瘍」でした。

その結果を踏まえて経過観察とし、もしこの良性の腫瘍がワンちゃんにとって悪影響を及ぼすようになったらまた治療を考えましょうということになりました。


現在では、化学療法(抗癌剤)や放射線治療なども可能であり、手術より負担が少なく手術より治療効果が高い場合もあるので、手術の前に診断することがとても大切だと思います。