ネコちゃんの脳腫瘍
このネコちゃんは「元気がない」とのことで、他の病院で診てもらったが改善がないということで来院されました。
当院で診察させていただいた時には手足の動きが悪く、脳もしくは首の神経の異常を疑いました。
しっかり診断するにはMRI検査が必要なことをお話し、飼い主さまも検査を希望されたため、MRIのある神経専門の動物病院をご紹介し、MRI検査をしていただきました。
MRI検査の結果、脳と眼の間に腫瘍が見つかりその腫瘍が脳を圧迫して神経症状が出ていることがわかりました。
腫瘍部分の細胞を採取して、リンパ腫と言う「がん」であることがわかりました。
脳の浮腫が強いため急変することも考えられましたが、飼い主さまは抗がん剤による治療を希望されたため当院で治療を開始いたしました。
しばらくは抗がん剤の効果で元気になり食欲も回復しましたが、数ヵ月後に再発しました。
人間と同じ様に治らない病気も多いですが、「治らない病気なら治療はせず家で看取りたい」という飼い主さまもおられれば、「出来るだけのことはやってあげたい」という飼い主さまもおられます。
治らない病気に対してどこまで治療すればよいのか?
またそれが動物にとって一番良かったのか?
正確な答えはないように思います。
ただ当院では「飼い主さまがしっかり考えて出された答えが一番いいのでは」とお伝えしています。
動物達は自分では決めれないので、「家族」が出された答えが正しいんだと思います。