クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)という病気

ネットからお借りした画像です。

飼い主さんが気がつきやすい症状としては水をよく飲む、オシッコが多い、食欲がすごい、毛が薄い、お腹周りが大きくなるなどがあります。

治療しないと糖尿病や肺塞栓症などの命に関わる合併症を併発することがあります。


ここ最近、転院してこられたクッシング症候群のワンちゃんが2頭いました。

1頭は薬の副作用と思われる「振るえ」が止まらないと言うことで来院されました。

とりあえず、薬を中止して状態が回復してから薬の量を減らして、さらに1日1回だった投薬を2回に分けて投薬してもらうことで副作用もなく、検査の結果もよくなりました。


もう1頭はクッシング治療薬を1年くらい飲んでるが症状が改善しないというワンちゃんでした。

まず診断が正しいかを調べる必要があるんですが、すでに治療薬を飲んでおられるのでいつも診断に使用するホルモン検査(1番信頼できる検査と言われている)では診断できません。

そこで超音波で副腎を調べてみました。

正常だと5mm−6mm以下なんですが、このワンちゃんは7mmを超えており診断は間違いないことがわかりました。

さらに検査を行ったところホルモン濃度が治療目標の2倍の値がでしたので、薬の量が足りていないということがわかりました。

これから副作用に気をつけて薬を増量していく予定です。


興味深い事は、この2頭のワンちゃんは体重で計算された薬の量(製造メーカーが推奨する量)をきちんと飲んでいたということです。

1頭は薬が効きすぎて副作用が発現し、もう1頭は薬が効きづらく改善していませんでした。

その子その子にあった薬の量があることを再認識させてくれた症例でした。