健康診断について
今回のワンちゃんは超音波検査で「水腎症」を疑った症例です。
「水腎症」とは腎臓が作ったオシッコの流れが悪くなり、そのオシッコが腎臓に貯まって腎臓の機能が低下してしまう病気です。
確定診断のため造影検査を行いました。
白いのが造影剤です。正常な左の腎臓には少量の造影剤があるだけですが、右の水腎症の腎臓には多くの造影剤が貯留しています。また、尿管(腎臓が作ったオシッコを膀胱に運ぶ管)も右が異常に拡張しています。
右の尿管の位置が正常な位置よりだいぶ後ろの方にあることがわかります。
大学の先生にも相談したんですが「生まれつき尿管の位置がずれており、そのため尿の流れが悪くなって水腎症になった可能性が高い」とのことで「異所性尿管」という生まれつきの病気と診断しました。
このワンちゃんは他の病院で定期的に血液検査とレントゲン検査の健康診断を受けておられ「異常なし」だったんですが、当院での超音波検査で今回の病気が見つかりました。
当院では超音波検査を含んだ健康診断も行っており、ワンちゃんの年齢・状態・飼い主さまの希望により複数のコースを設定しております。
詳しくは http://d.hatena.ne.jp/minvet2004/ をご覧下さい。