ウサギちゃんの毛球症

今回は手術の画像などがありますのでご理解の上ご覧下さい(血液や手術などに弱い方は閲覧をご遠慮下さい)

以前の記事にも血液や手術の画像が含まれていることもありますので、はじめての方は過去の記事をご覧頂く場合もご注意下さい(以前の記事には注意書きがありませんのでよろしくお願いいたします)









ウサギちゃんが食欲不振で来院された時の原因として多いのが、歯の問題と胃腸の問題です。

(歯の問題はすでに記事にさせていただいているのでそちらを参照ください。)

今回は胃の中にできた毛球が原因で食欲低下を起したウサギちゃんです。


レントゲンです。  数日食べてないのに毛球が原因で胃がパンパンに膨らんでいます。





「胃内毛球症」とは飲み込んだ自分の毛や異物(敷物やじゅうたんを齧って食べてしまったりすることが多い)が胃の中でこんがらがって塊になってしまう病気です。


犬や猫では嘔吐して自分で治すことが多いと思いますが、ウサギは嘔吐ができないため「毛球」が原因でご飯が食べれなくなり死んでしまうこともあります。


毛球症自体は多い病気で、たいてい内科治療(薬や点滴)で改善してくれますが、今回のウサギちゃんの毛球はすごく硬く内科治療で改善がありませんでした。


このウサギちゃんは10歳で人の年齢に換算すると80歳くらいの高齢で、麻酔のリスクはあるがこのまま内科治療に反応しなければ死んでしまうため体力のあるうちに早期に手術に踏み切りました。



胃を切開して毛球を摘出しているところ


取り出した毛球 ひと塊でカチカチでした



少しほぐしてみるとたくさんの毛でできていることがわかります。




ウサギの治療は飼い主さまの協力がとても重要で、今回も入院はできるだけ短くし病院でのストレスを避け自宅での強制給餌を行い無事自分で食べれるように回復してくれました。