人間用の頭痛薬を食べてしまったワンちゃん

夜間にかかりつけの病院に連絡がつかないとのことで少し遠くから来られたチワワちゃん。

頭痛薬であるイブプロフェン(商品名 イブA錠)を2錠食べてしまい、震えが止まらずフラフラした状態。


まだ仔犬で体重1.6kg。

イブ2錠で150mgという薬量なので、中毒量といわれる50mg/kgをはるかに超えていました。

食べてから2時間以上経過しているのと、フラフラして中毒症状がみられるため吐かせる治療は適応外。

体温は37度に低下しており(平熱は38〜39度前後 イブの解熱作用のためだと思われた)、血液検査で腎臓機能障害が見られました。

入院治療とし点滴・胃薬・薬物吸着剤などを投与し経過観察しました。



明け方には体温も元に戻り、振るえもなく少し元気になりましたが、黒いウンチがでるようになりました。


頭痛薬を食べてしまう前に作られた正常のウンチと、黒いウンチ。

人間でも頭痛薬などの痛み止めを飲むと胃が荒れる場合がありますが、今回は薬の量が多すぎるため、胃が荒れて出血し、その血液が消化されてウンチに混じり黒色のウンチになったのです。

4日ほど入院し、その後通院して頂きましたが少しずつ便の色も元に戻り、貧血もなく元気に回復してくれました。


去年も同じ様なワンちゃんが来院しましたが、その子は出血が多く貧血もひどかったので輸血して何とか助かりましたが、命に関わる可能性も十分あります。

飼い主さまは誤食には十分注意してあげて下さいね。