ネコちゃんの耳にできた「がん」

このネコちゃんは耳の傷が治らないとのことで来院されました。



確かにネコちゃん同士のケンカによる外傷のように見えますが、高齢であること、白い毛の部分であること、外に出る(紫外線に当たる)こと、治りにくいことなどを考慮すると腫瘍の可能性もあるため検査をさせていただきました。




検査結果は「扁平上皮癌」という「皮膚がん」でした。




治療は正常な部位を含めての切除になることを説明し、飼い主さまもネコちゃんがずっと耳を掻いて出血があり苦しんでいるので手術を希望させました。




手術後です。





手術2週間後に抜糸しました。





まだ少しかさぶたがありますが、傷の癒合はしっかりしています。




ネコの「扁平上皮癌」は比較的耳の先端にできることが多く、早期に手術すれば人間で言う「耳たぶ」だけの切除で済み手術後の生活には支障はでません。



しかし、発見が遅れたり早期に手術しない場合に「がん」が広がってしまい、耳の穴ごと切除しないといけなかったり、眼の方まで浸潤してしまっているケースでは眼球の摘出が必要になることもあり、再発するリスクも高くなってしまします。



高齢の白いネコちゃんの耳先にできた「傷」は要注意の病気です。