フィラリア症 その2

狂犬病フィラリア予防の季節は、動物病院が一年で一番忙しい時であり、なかなか記事を書く時間も無く毎週更新できず申し訳ありません・・・。



前回の続きです。


「咳」で来院したワンちゃんの体の中にフィラリアが寄生していることまではわかりましたが、「咳」の原因がフィラリアによるものだと診断するためにレントゲン検査を行いました。


胸部レントゲン



レントゲン所見としては

1.肺動脈の切り詰め像  肺動脈が拡張し、その末端が途中で途切れたような所見
2.右心室拡大      右側の心臓に負担がかかっている所見
3.主肺動脈の拡大    主肺動脈が拡張している所見
4.その他の「咳」の原因となる病気は確認できません




さらに、心臓の超音波検査にて「肺動脈弁狭窄症」などの類似のレントゲン所見を示す可能性のある病気を否定します。



こちらは超音波検査で見えるフィラリアの親虫たちです



以上の検査結果をもって「咳」の原因は「フィラリア症」によるものと診断できます。




適切な治療は適切な診断の元でのみ行うことが可能であり、適切な診断を行うためには必要な検査を行わなくてはいけません。


人の医療と同じですね。